キイロイセカイ 

豪州からこんにちは。クセ強すぎ夫と愉快な子供達との前途多難な日常生活

子供たちを見守る人々

こんにちは。

 

今日は子供たちの事でとても嬉しい事がありました。  

と言う事で、今回は子供たちについてです。

 

保育園に入れない?日本の待機児童

去年オーストラリアへ家族で引っ越して来て、そのために子供たちは日本で通っていた保育園を退園しました。この保育園に入園するのにとても苦労しました。下の子が1歳になり育休明けから仕事復帰したんですが、その時点で保育園が決まらなかったんですね。希望のところはことごとく許可されず、結局長女と長男は別々の保育園に、と市から手紙が届きました。うちには他に頼れる家族はおらず、夫と2人で何とかしなければなりません。私は看護師で、育休前の職場に戻りましたが、夜勤は免除して貰っても土日祝日関係ない仕事で、夕方までは仕事です。初めは職場の保育所に預かって貰っていました。病児保育や夜間保育もあったので、夜勤をする看護師ママもいました。少しの体調不良なら小児科もある総合病院なので、受診もさせてくれます。でも職員専用の病院付属保育所なので、小規模で出勤時しか預かって貰えず、認可保育園ではないのでお金もかかりました。1歳ならまだしも、上の子もいて狭い園庭や小規模すぎる保育所では成長過程の中で物足りなさを感じるのではないかと思いました。仕事に間に合う様に、通勤途中で通える保育園に入れたい。でもこの辺りの保育園は特に競争率が高く、待機児童が溢れていて入所枠がなかったんですね。

そして近年よく目にする保育園での痛ましい事件(保育士からの虐待や置き去りなど)がどうしても怖くて、保育園に預ける事自体不安で簡単に信用も出来ませんでした。1箇所何とか長女の枠だけ確保できそうな保育園があったのですが、見学に行った時に玄関で掃除をされていた保育士の方の態度に軽い疑問を覚えました。明らかに見学者だと分かるはずなのに(その他の来園者だとしても)チラリとこちらを見て、挨拶もせずぷいっと中へ入って行ったんです。声もかけられず、不安に思いながら中へ入り、受付をして中を案内して貰いました。保育園全体の印象はごく普通でしたが、先ほどの保育士がいて、その時もこちらを一瞥しただけで、笑顔もなくそのまま子供達の相手をしていました。私はその時点で、ここはちょっと嫌だなと思ったのですが、後から聞くと夫も同意見だった様でした。実際は多少疑問に思いながらも預ける選択しか出来ない人が大多数だと思います。でも‥保育士に不安を覚えながら、またしっかり話す事もできない幼い子供たちを預ける事はその時出来ず、それなら職場の保育所の方が安全だなと思い、一旦保留にしました。まず第一に子供たちの安全を最優先にしたかったんです。

 

職場復帰。働きながら育児の大変さ

この時私は集中治療室(以後ICU)に在籍していました。仕事自体は好きでしたし、自分軸で動ける身軽さや、子供を気にせず仕事に集中できる時間は本来の自分を取り戻した様な感覚でした。そんな人、多いんじゃないかな。当時の上司や同僚もとても協力的で、他にも子育て中の同僚もいましたし、かなり優遇して頂きました。ICU直属の上司で、看護師長なのですが、師長クラスになると沢山の業務や会議を抱えているので、なかなか現場仕事が出来ないパターンも多いんですね。私の師長は看護師として働きながら子育てした経験者で、事あるごとに気にかけてくれ、「小さいうちは沢山病気するし、仕方ないよ。大丈夫だから!」といつも言ってくれ、私の代わりに現場仕事を代わってくれたりしてくれました。本当に有り難かったのですが、どうしても罪悪感の様な申し訳ない気持ちがずっとあって、気を使いすぎて疲れてしまいました。みんなが同じように周りに助けて貰いながら気を遣って働き、子育てしていくのは理解していました。それが出来るだけ有難い事でしたが、仕事も忙しくて終わるとすぐお迎えに行き、慣れない子育てと仕事の両立にヘトヘトになってしまいました。1人の休みが欲しいと切実に思いました。

 

待機児童から保育園入所へ

そんな時に、知人から保育連盟という団体がある事を教えて貰い、待機児童になってしまった事を相談しました。保育連盟からの指導を頂き、市に訴えかける形で、苦労しましたが無事希望の保育園に入所が決まったんです。ただ、長女と長男は別々の保育園。でもここは家族経営の認可こども園で、建物と名前は別々ですが隣接しており園庭や体育館は共有、イベントなども一緒にするし、保育士の情報も共有されるという、ほぼ同じ園の様なところだったので、別園なのはあまり気にせずに済みました。問題だった送り迎えも一緒に出来て楽です。

保育士の方はみんな明るく元気で、雰囲気はとても良かったのですが、ここでもまだ不安というか疑念がありました。他人に幼い子供を預けるという不安がどうしてもあり、疑い深い私は簡単に心を開く事ができなかったんですね。それは先述した保育園でのトラブルに関する報道が沢山あったせい、が大きいです。トラブルから亡くなってしまう児童もいて、それが重くのしかかりずっと頭の中から消えませんでした。

 

そして当時コロナ真っ只中。職員の方も当然マスク着用、子供たちもマスクをして登園していました。入学式はなくイベントも制限されていて、表情がよく分からず保育士さんとのコミュニケーションもおそらく以前よりずっと少なかったと思います。でも、そんな大変な時でしたが、保育士さんは本当にあたたかく親切で、子供たちもすぐに懐き、出来る事を精一杯やって下さる姿を見ていくうちに、保育士さんに対して抱いていた疑念や不安はすっかりなくなりました。我が家の子供たちは保育園が大好きで、預ける際も一度も泣きつかれた事はなく、お迎えに行くといつも大きな笑顔で、あぁ楽しかったんだなと分かるんですね。それが本当に安心感に繋がりました。保育士さんは担当でなくてもみんな明るく声をかけてくださり、登下校時は毎日園の前に立って、前を通る車などから子供たちの安全を守ってくれました。真冬の極寒の中でも、真夏の暑い中でも汗を流しながら笑顔で挨拶してくれ、迎えてくれる職員の方々に毎日感謝の気持ちでした。

後から知った事ですが、この園はこの辺りの地域の中でも凄く人気で、独自の習い事やイベントもあったりして保育士の方々がとても良くしてくれるという事でした。子供たちは本当に沢山可愛がって頂き、私達もここに入れて良かったと思っていました。

それが、親の勝手な都合で海外移住が決まり退園する事になったのは、子供たちに悪い事してしまったかなぁと少し心残りです。後ろ髪引かれながら退園の日、お友達からも保育士さんからも沢山のお手紙やプレゼントを頂きました。特に、入園時からの沢山の写真や映像をまとめた動画をわざわざ作ってくれたのには感涙でした・・私もとても信頼していた長男の担任の保育士さんは、最終日に必死に我慢しても溢れてくる涙を笑顔で隠しながら、息子を抱きしめてくれました。隠しきれない寂しさをその涙から感じ、沢山愛情をかけて保育してくれた日々に感謝しきれませんでした。園長先生からも激励の言葉を頂き、まだよく分かっていない子供たちを連れオーストラリアへ来ました。

 

そして昨年末、お世話になった園にクリスマスカードを送ろうと思い立ち、お礼と年末の挨拶、こちらでの生活の様子を含めて、少しの写真を同封しお手紙を送りました。園での楽しかった体験のお陰で、こちらでも子供たちはすんなり学校生活に入っていけた事、毎日元気に楽しく通っている事などを書き添えました。初めて海外から手紙を送ったので、ちゃんと届いているか心配でしたが、そのうちすっかりその事を忘れていました。

 

心あたたまるプレゼント

そして今日、園からお返事が届いたんです!無事に届いていればいいな、くらいの気持ちで返事がくるなんて考えてもいませんでした。それぞれうちの子供たちに向けて丁寧にひらがなで書かれた手紙、私達親に向けて書かれた手紙、園のお友達の写真、誕生日だった長男へ誕生日カード。それから、QRコードが同封されていました。読み込むと、保育士さんや園長、お友達からのメッセージ動画でした。長男の為に歌ってくれたハッピーバースデーソングも収録されていて、私達のためだけに作ってくれた動画でした。可愛く編集されていて、きっと時間をかけて作って下さったんだと思います。こんな事までしてくれるなんて‥もう感情がぐちゃぐちゃになりそうな嬉しい驚きでした。

子供たちも凄く嬉しかったようで、何度も見せて見せてとせがんできます。仲良しのお友達の顔が見れて、◯くんだ!◯ちゃんだ!と大喜びでした。何だか逆に気を使わせてしまったと少しだけチクリとしましたが、ここは素直に感謝と喜びを噛み締めさせて頂きます。近いうちに必ず、少し成長した子供たちを連れて直接お礼を言いに行きたいです。

 

見守ってくれる全ての人に感謝を

子供たちを通して、私の中で保育士さんへの尊敬が大きく膨らんでいきました。本当に凄い仕事です。子供がただ好きというだけでは、こなせない大変な仕事です。世間では悲しい事件もありますが、殆どの保育士さんは子供たちに大きな愛情をもって日々保育にあたってくれているはずです。改めて強く実感させられました。

保育士のみなさん毎日本当にお疲れ様です。あなた方のお陰で私達は安心して働く事が出来ます。みなさんにもっともっと幸運が訪れますように。何か微力ながら力になれる事がないかなぁ。

 

心温まる出来事でした。オーストラリアに来てから人の親切に触れる機会が多くて、感謝感謝の毎日です。子育て頑張ります!

▲車から見えた雨上がりの虹



本日もお読み頂きありがとうございました。