キイロイセカイ 

豪州からこんにちは。クセ強すぎ夫と愉快な子供達との前途多難な日常生活

愛犬と一緒に海外移住した話

こんにちは。

 

毎日寝る時間が遅いせいで日中すごく眠いです。今、8時半から授業なのですが眠くて集中力が切れてしまいます。家から学校までは大体バスで3.40分くらいなのですが、毎日バスの中で居眠りしてしまい、気づくと隣の人がじーっとこちらを見てたりして気まずいです。オーストラリアは平和とはいえ、海外の公共の場で眠ってしまうなんて無防備にも程があるとは思いますが迫りくる眠気に勝てずにいます。

 

さて今日は過去に遡って、シンガポール移住の事を少し。

シンガポール移住で一番大変だった事

シンガポールには夫の仕事で1年くらい住んでいました。先に行った夫はトータルで2年ほどいたと思います。その時私は出産を控えていたので、長女を日本で出産し、長女が生後5ヶ月の時にシンガポールへ行きました。

まだコロナ前の事で、シンガポールー日本間はシンガポール航空系のLCCがあり行き来が楽で4ヶ月に一度は帰国していました。シンガポールも安全な国で、日本の物も簡単に手に入るし生活は全然問題なかったです。シンガポール人はかなり親日で、スマホの翻訳を使い言葉の不便さもあまり感じませんでした。

(シンガポールの話はこちら↓)

 

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移住で1番苦労したのが、ペット問題です。当時私は犬を飼っていて、移住が可能かどうかは愛犬次第と言っても過言ではありませんでした。チワワの雌でしたが、私の実家の犬が産んだ3匹のうちの1匹を譲り受けました。それもあって、最悪実家に預かってもらう事も考えましたが、私の勝手で連れて行ったのにまた私の勝手で戻すというのはあまりに無責任だと思ったし、何より彼女と離れたくはありませんでした。夫のシンガポールでの仕事がいつまで続くか分からない状態でしたが、愛犬のために長期間の別居も覚悟してました。

でも、長女も産まれたばかりで、夫と一緒に子育てしたかった私はかなり悩みました。

結局はシンガポールに犬を連れて行けると知って一緒に行く事に決めました。

狂犬病清浄国は世界でも稀

まず重要なのが、フライトの間は我慢してもらうしかないにせよ、空港で何日間も檻に入れられて過ごさせるのだけは嫌でした。元々普段からケージも使ってなかったし、家の中で自由に過ごしていた小さな犬が何日間も拘束されたらストレスで死んじゃうんじゃないかと思いました。調べていくうちに、空港の検疫で止められ、狂犬病の検査などに時間を有するため数日間の拘束が必須なのは、狂犬病発生国だけと知りました。日本とシンガポールは狂犬病清浄国なので、それが不要だったんです。世界でも狂犬病清浄国は数少なく日本を含めたごく僅かなので、これはラッキーでした。

それなら、準備さえしっかりしていればフライトの数時間だけ離れますが、その後はすぐに受け渡して貰えるという事です。フライト時間は約8時間。私は当時関西に住んでいましたが、実家は九州で、帰省の際車で同じくらいの時間をかけて帰るのに犬も一緒で、いつも大人しく寝ていたので、それを考えるとおそらく8時間ならいけると判断しました。

でも1番大変だったのが、提出する書類や手続き関係です。本当に苦労しました。全てお任せできる業者もあったのはあったんですが、なにしろ初めての事だし信頼できる業者なのかも分からなくて全部自分たちでやる事にしました。確か業者に依頼すると費用もかなりかかったと思います。

もし手違いで愛犬に何かあったらもう移住どころではありません。かなり時間をかけて準備しました。が、あまり参考になるものがなく、手当たり次第情報を集めて、色んなところに相談しながら進めて行きました。

出発前の準備①動物病院でやった事

まずマイクロチップを埋め込みました。これは必須ということで、かかりつけの動物病院にお願いしました。これに関しては簡単に出来ましたし、ちょっと大きめの注射器で首の後ろ辺りに差し込んで留置します。犬にとって侵襲のある事でしたが、抵抗もせず大人しくしてくれました。そして、指定されている予防接種を全て完了させ、これまた指定されている項目全てを確認する(採血を含む)健康診断も受けて、その証明書を発行してもらいます。

しかしかかりつけの動物病院がシンガポールに行くための手続きをした事がなく、書類のテンプレートもなくて時間がかかりました。書類に関してはこちらでネットから拾ってきたものを参考にして作り、内容を獣医に記入してもらうようにしました。

この獣医は、以前ヨーロッパ(アイルランドだったかな?)へ飼い犬を連れていく人は経験があったそうですが、国ごとに規定があるので全然違うんだそうです。

書類の不足はその都度何度もやり直してくれて、一緒になって色々調べてくれたりと親身になって協力してくれました。

▲マイクロチップを埋め込んだ直後。

出発前の準備②空港検疫

出発する空港の検疫にも何度も電話して書類を確認してもらい、最終的には出発前日に一度犬も一緒に検疫に行って、当日のシュミレーションなど全てをチェックしてもらいました。

検疫の方も物凄く親切でしたね。それが一番びっくりでした。なんとなくペットの移送なんて軽くみられそうなイメージがあったんですが、メールは毎回早くて丁寧な返信を頂きましたし、最初から最後まで凄く寄り添った対応をしてくれました。もし、海外へペットを連れていく予定のある方は、出発予定の空港検疫へまず相談されるのがいいと思います。みなさん本当に親切でしたよ。移動用のケージにも規定があったり、安全のためのアドバイスなども細かく指南してくれました。

大変だったのが、提出する書類の全てを英語に翻訳しなければならなかった事です。これもスペルミスがないか、シンガポールの検疫で引っかからないかなどかなり厳しくチェックしてくれました。

出発予定の空港検疫と書きましたが、これはどこに相談しても良いわけではなくて、実際に出発する空港にコンタクトをとっておかなければなりません。当時は関西に住んでいたので関西国際空港から出発するつもりでしたが、機内で貨物と一緒にされるのは空調など不安でした。福岡発の飛行機ならペット専用の場所が確保されていて空調も完備されているものがあるのを知って、関西から福岡へ移動して福岡空港からシンガポールへ飛びました。

一番良いのが機内で一緒に過ごす事でしたが、残念ながら日本からシンガポール行きの飛行機にそれはなかったので、出来るだけ負担がかからないように1番安全に移動出来るように色々試行錯誤しました。それから、幸いだったのが犬種によって飛行機に乗れない犬もいるそうです。パグなどの鼻が低い犬種は気圧の関係で搭乗できないそうです。

▲出発直前の福岡空港

いざ搭乗。募る不安

出発当日、最後に軽く空港周囲を散歩をしてケージに入れ、空港職員へ渡しました。フライト中は気がきでなく、不安でゆっくりも出来ませんでしたが、出発直前に空港職員の方が親切に、今機内のこの辺りにいますからね、ペット専用の場所で空調もありますからと声をかけてくれて少し心が軽くなったのを覚えています。

そしていよいよシンガポールに降り立ちました。ここ辺りが不安のピークだったかもしれません。よくロストバゲージとか、手違いでペットだけ別の国へ行ってしまったとか聞くので怖くてたまりませんでした。シンガポール空港で入国手続きを終えると職員の方に呼ばれました。言われるがままついて行き、車に乗せられました。

シンガポールに着いたんだというワクワク感より愛犬の無事がとにかく心配で、緊張でどうしようもなかったです。

空港敷地内の少し離れた場所にAVAという獣医局があり、そこへ通されました。(その時は何がなんだか分からなくてどこに連れて行かれていたのかも理解出来ていませんでした)

ちょっと怖い風貌の受付に座っていた男性に本人確認などをされ、各書類にサインしたりスタンプなどを書類に押されて、彼がニコッと笑ってOK!と言ったその瞬間、彼が足元からひょいっと見覚えのあるケージを持ち上げて、受付の上に置きました。そこにはブンブン尻尾を振り回して耳が頭に一体化するほど下げた元気な愛犬の姿がありました。

あの時のあの再会を大袈裟でなく一生忘れない気がします。やりきったー!という達成感と元気な愛犬の姿に腰が抜けるほどの安堵感を覚えちょっと泣きました。笑

その後はタクシーで家まで移動し、約一年間愛犬も一緒にシンガポールの地に足をつけて生活しました。本当に楽しかったです。

▲シンガポール農食品・獣医局(AVA)

▲無事に再会した時の嬉しさは忘れません。

本帰国では、同じ手続きをしましたが今度は逆に日本へ向けた書類なので日本語でよかったしあまり苦労せずに帰れました。

 

正直あの時は大変すぎてあんまり記憶がないんですよね。長女の産後すぐで新生児の世話もあったし、毎日頭を抱えてパソコンと睨めっこし、家の印刷機をフル活用しながら何度も書類を作り直しました。なのであまり有益な話でもないのですが、大変だったけど色んな人に協力して貰いながら無事に愛犬と海外へ行けたよと今は言えます。

▲大人しくて賢いチワワ

去年愛犬は老衰で亡くなりました。私が引っ越すたびに一緒に連れて行き、どこにいくにも一緒だった小さなチワワ。さすらいの犬だなぁと飼い主の勝手ながら思いました。大人しくて賢くて、マイペースで散歩が嫌いで、本当に飼いやすい子でした。

毎年私の誕生日は、夫が愛犬のポートレートをプレゼントしてくれてました。

それももうお終いになりましたね。寂しいけれど、ずっと忘れません。

▲誕生日プレゼントのポートレート

 

大好きな愛犬のお話で今日は少し長くなりました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ではまた次回に。